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* White day 〜加筆修正版〜 *
♀ディーノ(32)×ディーノ(22)

このSSは、2011/3/30に開催されたディーノ受絵茶で投下させていただいたものに加筆修正を加えたものです。
ログ原文からかなり変更していますので、チャット投下版をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

※チャット参加者のとある方の設定に倣って、女体化ディーノのことを
 「ディーニョ」と表記しております。

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「ねぇ、ディーノ。もうすぐ4月になっちゃうけど、何か忘れてない?」

久し振りに春らしい暖かさとなったある日。
ディーノはリビングのソファーで、窓から差し込んでくる柔らかな日差しを受けながらゴロゴロと過ごしていた。
そんなまったり微睡みタイムの中向けられた、突然の言葉。
意識を現実に引き戻されたディーノはキョトンとディーニョを見返すと、小さく首を傾げた。
「んー? スクアーロの誕生日ならこの前2人でお祝いしに行ったし、奈々さんへの誕生日プレゼントはもう手配して送ったし……3月って他に何かあったっけか?」
「あるよ。こっちじゃ馴染みないけど、男性が女性にお返しするジャッポーネのイベント……ここまで言えば、流石に分かるよね?」
呆れたようなその言葉に、ディーニョが何を言いたいのかようやく悟ったディーノは「あぁ」と手をポンと打つ。
「そっか、ホワイトデーか! そういやジャッポーネにはそんなイベントがあったっけなぁ」
「んもう……今年はジャッポーネに倣ってバレンタインにチョコあげたのに、忘れちゃうなんてディーノってば酷い!」
「ワリィ、ワリィ。ワリィついでにスマン! 実はお返しまだ何も考えてなくて……」
「えぇー」
「ホント、スマン! お詫びに、今度一緒に出掛けた時何でも好きなものプレゼントするから!! だから、それで勘弁してくれよ。な?」
ホワイトデーを完全に忘れられていたと知って不満げに頬を膨らませるディーニョに、慌てて顔の前で手を合わせるディーノ。
だが、それくらいでは気持ちが収まらないのか、ディーニョはぷいっと顔を背け、拗ねたように唇を尖らせるばかりだった。
「じゃ、じゃあさ……今から買いに出掛けっか?」
そっぽまで向かれてしまい、これは流石にマズいと思ったのか、ディーノはガバッと上体を起こすと姿勢を正してディーニョに向き直る。
そして怒り覚めやらぬ横顔を見上げながら、おずおずと口を開いた。
「…………」
僅かな間を置いて、ディーニョの視線がチラッとディーノへ注がれる。
主人の様子を窺う仔犬のような、不安に潤んだ瞳。
それとかち合った瞬間、ディーニョは耐えきれなくなったように噴き出した。
「な、何だよ、急に……怒ったり笑ったり、訳分かんねーんだけど……」
突然笑い出したディーニョに戸惑いながらも、ディーノはキョトンとした顔で再び見上げてくる。
その仕草にますます肩を震わせるディーニョだったが、こみ上げてくる笑いを何とか堪えながら言葉を紡いだ。
「もうちょっと粘るつもりだったのに……も、ダメ……あははっ!」
「へ?」
「ゴ、ゴメン……ヤベッて顔が可愛いかったから、怒ったフリして困らせちゃおうと思って……」
「んなっ!? 何だよそれー!」
からかわれていたと知って、今度はディーノがぷぅと頬を膨らませる。
がしかし、すぐにディーニョの細い指でつつかれ、ぷしゅっと潰されてしまった。
「ゴメンってば。でも、ディーノがホワイトデー忘れてたのがいけないんでしょー」
「う……そりゃ、オレが悪かったけどさ……」
ジト目でじぃっと覗き込まれた上に核心を突かれて反論出来ず、ディーノはごにょごにょと言葉を濁しながら俯いてしまう。
そんな涙目のディーノを見てディーニョは堪らず顔を緩ませると、項垂れる金の頭を胸に掻き抱いた。
「わわっ!?」
「あーもう、ホント可愛いなぁ!」
「か、可愛いは止せっ……」
自分が悪いという負い目があるのか、心なしかいつもより弱々しい反抗。
それがディーニョの欲情のスイッチをオンにした。
「……お返し、服かアクセでもおねだりしちゃおっかなーって思ってたけど、気が変わったわ」
「えっ?」
突然ふっと体を離したディーニョを追うように、俯いていたディーノの顔がパッと上がる。
困惑を浮かべたその表情に、ディーニョの唇の端は自然と上向いた。
目の前の笑みが妖艶さを含んだものへと変わったのを感じ取り、ますます困惑を深めるディーノ。
それでも罪悪感からか、感じた変化を気のせいだということにして言葉を続けた。
「で、でも、お前の言う通り忘れてたオレが悪かったんだから、ホントに何でもプレゼントするし、今からでも……」
「ううん、わざわざ出掛けなくてもいいよ。だって、私が欲しいモノ、今目の前にあるから……」
だが、ディーニョは遮るように口を挟むと膝を折り、ぺたんと床に腰を落とす。
そして囁くように呟きながら、真意がイマイチ飲み込めずにいるディーノの膝と膝の間に顔を割り込ませていった。
「え、あ、あの、ディーニョさん? 何をして……」
「体でお返ししてくれれば、それでいいよ♥」
「えぇぇぇっ!?」
妖しげな予感を募らせ、思わず『さん付け』で声を掛けてきたディーノに、ニッコリと全開の笑顔を返すディーニョ。
その有無を言わせぬ微笑みに、ディーノは軽く眩暈を覚えた。
エッチなことは好きだし、ディーニョがそれを望むならいくらでも体でお返しするけれど、誰か来るかもしれないリビングでこんな真昼間から、しかも唐突に言われても。
いきなり何でそんな事にと頭をグルグルさせていると、不意に感じた感触に意識を引き戻された。
「わ、ちょ、待てって! 今からここですんのかよっ!」
「ダメ?」
「うっ……」
うっとりとした顔で股間に頬を擦り寄せてくるディーニョの淫靡な表情に思わず言葉を失うが、これじゃイカンと頭を振って何とか声を絞り出す。
「い、いや、ダメじゃねーけどさ、その……エッチがお返しなら、今夜じっくりするんじゃダメなのか? まったりモードだったから、すぐにはソウイウ気分になれなくて……って、脱がすなぁっ!!」
体でお返しするのなら、たっぷりねっとりと愛してあげたい。
そんな思いもあって、彼女の機嫌をまた損ねてしまわぬよう申し出てみたのだが、ディーニョは顔を離すどころか白く綺麗な指をジッパーへと伸ばしてきた。
「だ、だから待てって、コラッ!」
「ディーノがそうじゃなくても、私はもうとっくにソウイウ気分なの! ディーノの可愛い顔見てたら、疼いてきちゃって……それに、ホワイトデーのお返しにちょうどいいでしょ? 白いモノだし」
「た、確かに白いモノだけどさぁ……」
「大丈夫、ディーノもすぐソノ気にさせてあげるから……」
「いや、大丈夫とかじゃなくて、オレの意思は……って無視すんなぁ!」
ホワイトデーだから白いモノ――ザーメンをお返しに欲しいなんて、それ何てエロ漫画!?
確かに「何でも」と言ったけれど、だからって急にこんな……
ディーノがそう狼狽えている間にもディーニョの手は性急にジッパーを下ろしてどんどんと前を寛げていき、ボクサーパンツに指を引っ掛けてズリ下げてしまう。
そうして露にされた、まだ完全には勃ち上がっていないペニスを眼前にすると、ディーニョは舌舐めずりをして勢いよくソレにむしゃぶりついてきた。
「んぁっ!! ぁはっ……」
「んむっ、ン、ン、んンゥ……」
もう抑えが効かなくなっているのか、ディーニョは瞳を熱く潤ませながら、柔い肉塊を唇で容赦なく扱き上げていく。
まだ戸惑いが大きい心とは裏腹に、刺激を受けた若い雄はすぐに反応してしまい、ムクムクとその身を擡げていった。
「ちょ、ディ……ニョ……マジで、止めっ……」
「ん、ハァ……止めて、いいの?」
ちゅぽっと音を立て、糸を引きながら離れていく唇に意地悪げな笑みが浮かぶ。
追い討ちをかけるように、漲りに浮き出た血管を指先でつぅぅっと撫で上げられると、口から出かけた反論の言葉は嬌声へと変えられ、吐息と共に空に溶けた。
「ちょっと咥えただけなのに、こんなガッチガチにしちゃって……いい加減観念しなさいよ」
「で、でも……ここじゃ誰か来ちまうかもしんねーし……」
「いいじゃない。秘密の仲じゃないんだし。ロマに見つかったら『昼間っからこんなところで……ったく、アンタたちは』って怒られそうだけど」
「おまっ……」
冗談めかして言いながらも、今ここにロマーリオが来たら彼まで喰ってしまいそうなほどに切羽詰まった切なげな表情と、本気の瞳。
こうなったらもう、滾りまくった彼女の性欲が満たされるまで誰にも止められないだろう。
ディーノが諦めたように口を噤むと、ディーニョは満足そうに微笑んで再び股間に顔を近付けていった。
柔らかい唇が先端の表面をゆっくりと撫で回し、それから全体をぬぷ、ぬぷぷっと口の中にゆっくり包み込んでゆく。
「ンッ……」
「ん、む……ふっ……」
深くまで飲み込むと、ディーニョは唇をペニスの根元から先端まで往復させるように頭を上下し始めた。
「んっ、ンッ、んんんっ……」
「ふぁ……あ、ア、あァッ!」
じゅぷじゅぷと卑猥な音に合わせて揺れる、ディーニョの金色の頭。
熱い口内では舌が忙しなく動き回り、雁首を、裏筋を、余す事無く攻め立てていく。
溜まっている時などは瞬殺レベルのディーニョの口技と、いつ誰かに見られるか分からない状況がディーノの快感を煽り、いつもよりも早い絶頂を彼にもたらした。
「あ、も、出……あっ……くっ、ん……ぅああァッ!!」
「んんぅ!! ンッ、んぐっ……ん……」
吐き出された熱と勢いに一瞬怯むも、ディーニョは喉を鳴らしてそれを飲み下していく。
そして尿道に残った精液までもをぢゅぢゅっと吸い出してから、ようやくペニスを解放した。
「ン、美味し……ごちそーさま♥ 最近シてなかったから濃ゆいのいっぱい出たね……フフ」
「ハッ……はぁァ……」
吐精後の気だるさから声が出せず、唾液と精液でヌルヌルになった唇をペロッと一舐めするディーニョにチラと視線を向けるだけのディーノ。
その表情は上気しながらもどこか悔しげで、ディーニョはますます加虐欲を掻き立てられた。
続きは夜にと思っていたけれど、こんな顔されたら我慢なんてとてもじゃないが出来そうにない。
ディーニョはタイトスカートの中に手を入れ下着を脱ぎ捨てると、まだぐったりとしているディーノの腰に跨るように圧し掛かった。
「ねぇ、ディーノ。おかわり……欲しいな。今度は下のお口に……」
耳元でそう囁きながらたわわな胸を逞しい胸板に押しつけると、半開きになっていた唇から熱い息が零れる。
呆れの溜息なのか、吐息なのか。
見定めるように見つめていると、吐精して勢いを失っていたペニスに再び熱が滾るのを太腿に感じた。
堪らず、既にぐっしょりと濡れている秘部をペニスに擦り付けると、ようやっと観念したようにディーノが口を開いた。
「……わーった。好きなだけ喰ってくれよ」
ディーニョはその返事にニィッと微笑むと、唇を白く濡らす蜜を自らの舌で拭い取り、唾液と共にディーノの唇へと流し込む。
一瞬顔を歪めながらも、それを口内に受け止めゴクンと飲み込むディーノに、ディーニョはまた笑みを深くするのだった。